【保育士必見】時間帯別園見学のポイント
保育士の就職・転職活動において、実際の保育園や施設を見学することはとても大切です。 園見学は、職員の雰囲気や仕事環境を目で見て、肌で感じる機会であり、新しい職場選びの重要なステップとなります。そこで今回は元認可保育園の人事担当がおすすめする【時間帯別】園見学のポイントをご紹介します。
朝の見学(午前中)
朝早い時間帯の見学では職員の出勤時の服装やこの時間帯に預かっている子どもの人数や合同保育の部屋などを見ることをおすすめします。
ポイント1:登園時の様子を観察
子ども達と保護者が別れる際の様子や職員対応を観察することで、子ども達との別れ方や保護者とのコミュニケーションを理解できます。
ポイント2:朝の準備や活動を見学
子どもたちの朝の活動や準備(朝礼など)を見学し、一日の保育スケジュールを理解します。特にお散歩へ出かける際の職員の声掛けや準備の連携などを注意深く見ることをおすすめします。
昼の見学(ランチタイム)
午前の活動が終わると子どもたちは昼食が始まります。この時間帯が職員同士の連携が取れているかを見る際の最も有効な時間帯です。また施設によっては食事を取る部屋が通常の保育室とは別にある施設もあるので、子どもたちの机や椅子をどのように準備しているか、また導線がどうなっているかなども合わせて観察してみましょう。
ポイント1:子どもたちの食事風景を観察
昼食時の子どもたちの食事風景や保育士のサポート(食事介助)方法を観察することで、食育への取り組みも観察することができます。子どもたちの「いただきます」や「ごちそうさま」のタイミングが同じ、あるいは子どものタイミングで行っているかなど各施設の取り組みの違いがでるポイントの1つになります。またアレルギー児への配慮について、食器を分ける・座る位置を工夫する・配膳の順番など園内ルールがあるので、どのような配慮をしているかを確認しみてましょう。
ポイント2:職員の休憩時間や交代の様子を確認
職員の休憩時間にもなるこの時間帯。担当の交替方法を確認して、職場のスタッフの連携や休憩体制を理解しましょう。
ポイント3:午睡時の職員業務を観察
SIDSチェックの方法や保育日誌を記入している先生が多い時間帯なので各種書類の作成方法を見ることができます。近年はICTを導入している施設も増えたので、タブレット等の機器が何台あるかなども合わせて観察してみましょう。
午後の見学(午後の主活動)
ポイント1:おやつの時間帯を見学
おやつの時間帯には子どもたちと保育士の関わり方を観察しましょう。寝起きで機嫌が悪い子どもたちもたくさんいるはずです。その様な子どもへの声掛けも合わせて見てみましょう。また栄養士さんとの連携も必要になる場面です。
ポイント2:戸外遊びや活動の様子を観察
外遊びやアクティビティの時間帯を見学し、子どもたちとの関わりや「遊びの企画力」をチェックしましょう。ここは各施設にとって、一番保育観が表現されている時間帯となります。 見学できる時間が短い中で、保育についてどのような導入があり、展開があるのかなどを少しでもイメージできると自分の保育観にあっているかなどが確認できるでしょう。また子どもの自主性をどのように引き出しているかなども確認できる時間帯となります。
夕方の見学(帰りの様子)
ポイント1:保護者とのコミュニケーションを観察
子どもたちを保護者に引き渡す際のコミュニケーションや挨拶の様子を観察して、職員の保護者対応力を確認しましょう。今日一日の様子を話す保育士の言葉使いなどを注視すると他園との違いはわかりやすいでしょう。また保護者対応をしている先生の後ろでお迎えを待つ子どもたちに対して、どのような保育を行っているか。何人の先生で対応しているかも合わせて確認してみましょう。「合同保育で自由遊び」を行っている園も多いため、子どもが選べるだけのおもちゃの種類・数・配置の仕方によって職員数が足りている園なのか、少ない園なのかを見分けることができます。
ポイント2:職員の帰宅時間帯
早番の先生が帰宅する時間帯が16時30分頃になるところが多いので、その時間帯にしっかり職員が帰宅できているかなどを見ると残業や業務量の多さなどをイメージすることができるでしょう。また行事や製作の準備に充てている先生もいる時間帯なので一日の仕事の終わり方を具体的にイメージすることができるでしょう。
以上が各時間帯に異なる活動や雰囲気を感じながら園見学を行うことで、新しい職場を具体的にイメージするためのポイントでした。その他に園見学全体を通して見るべきポイントを番外編として以下にまとめています。
番外編
1. 職員同士のコミュニケーションと雰囲気
先生同士とのコミュニケーションを観察し雰囲気が明るく、チームワークが重視されている場所は、業務の遂行がスムーズであり、ストレスが軽減されるでしょう。
2.子どもたちとの関わり方
保育士の大切な仕事は子どもたちとの関わりです。 園見学の際には、子どもたちと保育士との関わり方を観察してみましょう。笑顔が絶えない職場は、子どもたちが安心して快適に過ごせる環境が整っている証拠です。
3. 保育方針・教育方針とプログラム
施設ごとに異なる方針やプログラムを理解するためには 施設の壁面を注意深く見ると特徴を把握することができます。子どもたちが作った物が掲示されているか、園側で用意した物が掲示されているかなどによって保育の考え方や方針を示されています。
4. 環境・設備
園内の環境や設備も重要なポイントです。先生同士が連携をスムーズに行い仕事を進め、子どもたちが遊び込める環境かどうかも確認してみましょう。おもちゃや絵本の数/子どもたちのトイレや手洗い場/各部屋に設置されている保育棚や扉の開閉方法/カギの位置などにも注意深く観察してみるといいでしょう。
失敗したくない転職活動を進めたい保育士さんは是非保育キャリアベースを活用ください。
園見学は、新しい職場選びをする上で非常に重要な一歩です。自分の理想とする環境や職場風土に合致するかどうかを慎重に見極めるために、積極的に情報収集し、質問をして、厳選した上で選択をすることが大切です。保育キャリアベースではキャリアアドバイザーもできるだけ施設見学に同席させて頂いています。それは求職者である保育士さんが見るべきポイントをしっかりと理解した上で後悔なく転職活動を進めて欲しいという想いからそのような対応を取らせて頂いております。当社のキャリアアドバイザーに同席して欲しい方は遠慮なくお申し付けください。
執筆・監修について
【プロフィール】
木村 文哉。1985年大阪生まれ。新卒で美容業界に特化した採用・教育・集客・経営コンサルティング業を営む会社の営業職にて8年間従事。その後、2016年株式会社Kids Smile Projectへ転職(2020年3月(現)東証グロース市場への上場を経験)し採用責任者として4年間で延べ5,000名以上の面接を行い、1,500名の保育士採用と42園の新規開園を実現し待機児童問題の解決に尽力。また運営部責任者として評価制度・研修制度の構築も手掛け、離職率を前年比8ポイント低減。その後、新規事業の立ち上げ全般も手掛けるなど幅広い領域にて経験を経て、2022年6月株式会社H&C baseを創業し代表取締役を務める。(有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314498)