新たな保育士生活をスタートするために、知っておきたい円満退職のコツ
無事に転職先から内定をもらったとしても、転職活動はまだ終わりではありません。今の職場をすっきりと退職し、新たな職場で働き始めるまでが転職活動です。
円満退職を目指すことは、辞めるまでの間を気分よく過ごせたり、業界内に悪評が立つのを防げたりと、自分にとってもメリットになります。もちろん、園に通う子どもたちへの影響も最小限に抑えられます。
本記事では円満退職のために、特に「やってはいけないこと」に注目!どうすればよいのかとセットで解説します。「立つ鳥跡を濁さず」を実践するため、ぜひ参考にしてください。
NG行動1:退職決定前に転職先の情報を話してしまう
内定が決まると、うれしさのあまり誰かに話したくなりますが、少なくとも職場ではやめておきましょう。また、転職活動中に、活動していることを職場の人に話すのもあまりよくありません。上司にあたる人物の耳に入った場合、慰留されて面倒なことになるケースがあります。
次の職場について話したいなら、社内または園内で正式に退職予定が発表され、引継ぎ期間に入ってからが無難。もう退職が決まっているので、トラブルの原因になる可能性は低いです。
ただし、次の転職先の良さについて語りたいあまり、現職場を下げる言動はNGです。仮に思うことがあったとしても、残る側の気持ちに配慮して、公言は控えてください。
NG行動2:退職理由を聞かれ「現職場に不満がある」と話してしまう
退職の意思を伝えると、多くの場合は理由を聞かれるでしょう。その際、例え事実であっても、現職場に対する不満を挙げるのはよくありません。
雇用側の視点に立つと、職場への不満を抱えたまま退職した人は、不満を外で話してしまうかもしれないと考えます。評判が下がるのを避けるために、あの手この手で慰留しようとしてくるかもしれません。
仮に不満を伝えて、「あなたの不満を改善するから残ってほしい」と言われたとします。転職活動前や活動中なら一考の余地はあるかもしれませんが、内定が出たあとにそう言われても困りますよね。
ではどうすればよいのかというと、「自分はこうしたいと思っている」「自分のキャリアについて考えた結果」など、あくまで自分を軸にした理由にするのがベターです。言われる側の視点に立ってみれば、「あなたが悪いから」と「私がこうしたいから」とでは印象が違うのは理解できると思います。
内容が似ていても、言い方ひとつで印象は大きく変わります。意識しておきましょう。
NG行動3:ギリギリになってから退職の意思を伝える
民法上は、退職日の2週間前までに申し出れば退職できます。一般企業では就業規則の規定で1~2か月前までとなっているケースが多いでしょう。しかし、保育士は仕事の性質上、退職を早めに伝えないと園の運営に支障をきたしてしまいがちです。
引継ぎや交代人員の手配などを考えると、半年~3か月前には退職の意思を伝えておくのがよいでしょう。次年度の担任編成などは2月頃までに決定する園が多いので、2月~年度末の期間に退職希望を出すのは避けたいところです。同様に、大きな行事を控えた忙しい時期も避けるようにしましょう。
園によっては夏または秋頃にかけて、次年度も継続して働くかどうかのヒアリングを行うところもあります。もしその時点で退職の意思が固まっているなら、ヒアリングの場で退職希望を伝えて、年度末に退職という流れがベストです。
余裕を持って退職の意思を伝えれば、その分引継ぎに多くの時間を割けます。児童や家庭の状況、日々の保育内容など、後任の保育士と子どもたちが困らないよう、しっかり引継ぎをしましょう。
NG行動4:一方的に退職を宣言して退職する
ここまで紹介してきた行動に気をつけていても、退職に関する交渉がこじれる可能性はゼロではありません。もしそうなった場合でも、面倒だからと一方的に退職届を突きつけることはできるだけ避けてください。
最悪なのは、雇用側から「長期間の無断欠勤による懲戒解雇」とされてしまう場合です。辞めること自体はできますが、離職票に「重責解雇」と記載されてしまいます。離職票は雇用保険関係の手続きに必要な書類のため、新しい職場に提出しなければなりません。
「重責解雇」の記載があると、経緯を問われるのは確実です。解雇の事実を隠して応募した場合には、内定を取り消す合理的な理由になります。
だからといって、園からの慰留に応じなければならないわけではありません。退職自体は正当な権利です。きちんと交渉し、必要な対応を取った上での退職ならば、無理矢理解雇扱いにすることはできません。
退職の時期をずらしてほしいと言われた場合、自身の状況に鑑みて受け入れるかどうかを検討しましょう。退職の先延ばしで内定取り消しのリスクがある場合は、きっぱりと断ることも大切です。
仮に慰留を断っての退職であったとしても、上司や同僚にはしっかり挨拶をし、これまでお世話になったことへの感謝を伝えてから退職しましょう。自分なりにできるだけのことをしたと思えれば、前向きな気持ちで新しいスタートを切れるはずです。